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2023.7.18

デザイン思考とは?ビジネスに活用する方法や具体的な手法を徹底解説!

#デザイン

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デザインメンターのたかりょーです。

ビジネスの問題を解決する「デザイン思考」。

経営者やクリエイターなら、「デザイン思考」がどういう状況で使用されるのか、どんな意味は持つかは知っておいた方がいいです。

デザイン思考とは何か?

デザイン思考とは、デザイナーの思考プロセスを汎用的に使えるようフレームワーク化して、課題解決に取り組めるようにした思考法です。

具体的には、ユーザー(=人間)の体験を中心にして、彼らから生まれる言動や行動を理解して、彼らの望んでいるを分析し、問題を再定義(=仮説を立て)、試行錯誤と検証を繰り返しながら新しいアイデアを生み出していきます。

デザイン思考はAppleやGoogle、P&Gなどのグローバル企業では、早くから経営や事業を展開していく上で積極的に取り入れています。

市場構造の変化や価値観多様化を背景にして、『問題解決のアプローチ』として日本企業でも近年暑い視線を集めており、に一段と関心が高まっています。

デザイン思考の基本的な考え方は、人間中心主義の課題解決

優れたデザイナーはアイデアの源をまず目の前の「人間」から見出そうとします。つまり顧客の抱えるニーズに耳を傾けるよう“共感する姿勢”があるのです。

そしてデザイン思考はデザインナーの思考をツール化したものですから、その本義とは、人間を中心に問題解決をしようとすること。

これを「ユーザー中心主義」ともいいます。

ここで大切なのは、単純にユーザー視点になろうということではないです。

ユーザーのことを深く知ることで、ユーザー自身も気づいていない問題を解決していく姿勢です。

人間中心主義ってどういうこと?

デザイン思考の基本的な考え方は、人間中心主義の課題解決です。

人間中心主義は、人間の喜びや幸せを全ての起点にして、それを生み出すためにはどうすればいいのか?、人間のニーズを考えることです。

なぜなら実際に商品を手を取るのは人間であって、サービスを受けた先に待っているのは、彼らの満足や幸せだからです。そして人々が本当に望むものを作り出し、

だからデザイン思考では、彼らが直面している問題や求めているものを何かを徹底的に理解していきます。

製品やサービスを提供する企業が自社都合で製品やサービスを提供しているだけでは、顧客からの信頼や評価を得ることができません。

デザイン思考のフェーズとステップ

ここではデザイン思考の一般的な「5段階プロセス」をご紹介します。

共感(課題決定段階)

課題定義(課題決定段階)

アイデア創出(創造段階)

プロトタイプの試作(創造段階)

テスト

各々説明していきますね。

共感→ユーザーインタビュー

まずユーザーの視点やニーズを理解するための共感フェーズです。

この段階では、ユーザーの立場に立って「どのように行動するのか?」「なぜ行動するのか?」を人間を理解することに努めて、問題や課題を見つけていくことが大切。

例えばユーザーに直接インタビューを行い、観察や体験を通じて彼らの感情や行動を理解することもいいでしょう。

ここで重要なのは「観察すること」です。

具体的な作業:ユーザーインタビュー、観察、ユーザーアーキタイプの作成

必要なスキル:コミュニケーション能力、洞察力、共感力、アイデア発想力

注意点:ユーザーの実際のニーズを理解するために、客観的な観察と深い洞察力が必要

課題定義

ユーザーが求めている潜在的なニーズを、さらにそれを深掘りして、問題や課題を定義します。

この段階では、根本となる問題を探り出し、“課題の本質”を把握し課題化するのがとても大切。

なぜなら着眼点がずれていたら、これから進めていく創造段階で作られたものが見当違いなものになるからです。

だから課題定義の際は、「何を課題にするか?」という着眼点が非常に重要で、課題創造に全力を注ぐようにしましょう。

具体的な作業:ユーザーインサイトの分析、洞察を整理し、課題を特定する

必要なスキル:問題解決能力、システム思考、プレゼンテーションスキル

何が重要?:問題を”正確”に定義すること。課題に対する適切な解決策を見つけるためには、正確な分析と洞察が必要です。

アイデア創出

課題定義を行った後は、問題や課題解決に向けたアイデアをどんどん出し合っていきます。

ブレインストーミングセッションやワークショップを開催して、さまざま情報源や視点を変えたりして、自由な発想でアイデアを考えていきます。

この段階では、アウトプットに質は求めずに、とにかくアイデアの量を出すことを意識すべきです。

たくさんアイデアがうまれれば、それを組み合わせて新しい解決策を生み出すこともできます。

具体的な作業:アイデアスケッチ、ブレスト、アイデアの絞り込み

必要なスキル:クリエイティブ思考、コミュニケーション能力、ワークショップのファシリテーション能力

注意点:多様な視点から自由にアイデアを出すことが何よりも重要!アイデアの質を高めるためには、まず量と向き合うこと。だからアイデアを自由に出させるためにも、批判をせずに意見が出やすい雰囲気作りも大切です。

プロトタイプ製作

アイデアを集めた後は、アイデアを具体化するために簡単なプロトタイプ製作していきます。

プロトタイプは、アイデアを形にしたものであり、実際に製品やサービスを開発する前に、そのアイデアの有効性を検証するために用います。この段階では、アイデアをスケッチや3Dプリンターなどを使って具現化し、ユーザーにテストしてもらい、改善点を洗い出すことができます。

アイデアの段階からさらにイメージしやすくするため、試作品(プロトタイプ)を制作してみます。この段階ではあまり手間ヒマをかけず、“とりあえず作ってみた”程度の完成度で問題ありません。試作するなかで、頭で考えているだけでは気付かなかった問題が見えてくることがあります。

具体的な作業:プロトタイプの制作、テスト、改良

必要なスキル:プロトタイプ制作のスキル、プレゼンテーションスキル、観察力

何が重要?:プロトタイプを作成する際には、過度に詳細に作り込まずに、ユーザーテストを目的とした簡単なものを作る。なぜなら目的はプロトタイプを「正確に作ること」ではなく、「早期に試して改善すること」が重要だからです。

テスト

最後の段階はプロトタイプをユーザーに触ってもらいながら、その使用感や感触、反応を観察します。その際、改善点をフィードバックしてもらうとなお良いです。

ユーザーからのフィードバックを集め、整理・分析する。

ユーザーからのフィードバックを整理し、分析。プロトタイプを改良して、より良い製品やサービスに改良していきます。このテストは一回だけではなくて、何度も繰り返してもいいです。

なおユーザーのフィードバックに偏らないように注意し、適切な問題解決策を導き出すようにしましょう。

ここで最初に定めた「問題定義」との照らし合わせも行っていき、当初の想定とどれだけ同じなのか?また異なるのか?という部分も知る必要があります。

具体的な作業:ユーザーテストの実施、フィードバックの集計・分析

必要なスキル:分析力、要件定義のスキル、ユーザーとのコミュニケーション能力

注意点:ここではある程度のユーザー数の確保する必要があります。なぜならユーザーの反応を正確に把握するためです。またテストに使用するアンケートや質問事項は、的確に問題点を把握するために質問の設計も大切です。

デザイン思考はフレームワークを厳守する必要なし!

上のようにフレームワーク化されると、あたかも上のプロセスを絶対に守らなければならないと感じるかもしれません。

でもデザイン思考はあくまでもデザイナーの思考プロセスを分かりやすくツール化しているだけ。

だから何がなんでもプロセスを守る必要はなくって、デザイナーの思考を、自分の思考に合わせることで、思考を拡張・変革させるという点に意義があります。

大切なのは、今抱えている課題や目的に合わせて、どのプロセスを今やっているのか?という意識を常に置いておくことです。

デザイン思考とアート思考の違いは?

「デザイン思考とアート思考は言葉的には違いがあるけど、違いは何があるの?」

両者の違いは、「どこを起点とするか?」という点で明確に異なります。

デザイン思考の場合は、問題解決の源泉を「人間」から探し始めます。

つまりユーザー目線に立って、彼らのニーズや欲求を理解し、それに対する製品やサービスを考えて課題解決をしようとします。

なので矢印の方向性が、「外」から「内」に向かう“他人軸”で考えます。

反対にアート思考は「自分自身」(主観)からスタートします。

つまり自己に内在している美的感覚、思考、欲求を探究して、それを個人的な表現や感性を重視して、自分自身に内在する欲求から始めます。

そのため矢印の方向性は「内」から「外」で”自分軸”からアイデアを生み出していきます。

(だから多くの人に受け入れられないかもしれません)

このようにそもそも「起点」が異なるのです。

ただしどちらも「既存にある枠組みを壊して創造性を発揮しよう」とする部分では共通点はあります。

覚えておこう「デザイン」=「人間中心設計」

デザインと聞くと、見た目や雰囲気など意匠の話をすぐに思い浮かべるかと思います。

でももっと広い意味での「デザイン」は、利用するユーザーの問題の本質を深く掘り、解決するための「設計」という部分を表現します。

つまり、人間中心設計に基づいた表現を作ることを指します。

見た目や雰囲気などビジュアル的な部分のことでは無く、こちらもと同じ様にユーザーを主軸とした視点でデザインを行うことを指します。

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